プロフィール
菊地将史。 北海道教育大学函館校→明治大学大学院商学研究科。 グローバリゼーションが地域経済に与える影響と、その処方箋を模索中。北海道をともに研究できる仲間を探しています。 「中央」から、北海道という「地域」の疲弊を解消出来るよう、日々精進しています。 最新のコメント
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2/26-2/28まで、山口県上関町の田ノ浦と祝島に行ってきました。
私が田ノ浦と祝島の事を知ったのは、鎌仲ひとみ「ミツバチの羽音と地球の回転」という映画を、渋谷のユーロスペースで観てから。 映画で描かれている祝島の生活と、その対岸の田ノ浦での出来事を見に行きました。 田ノ浦では、今、中国電力と大手ゼネコンが原子力発電所を建設しようとしています。 その対岸3.5kmに位置する祝島。 漁村なのに魚が売っていない、ちょっと変わった島。 そんな祝島の人々は上関原発計画が明るみになる1982年より8年も前、 石油備蓄基地建設が計画された時から反対し続けています(島民の話より)。 ・祝島の生活 祝島の基幹産業は農業と漁業。 商店に魚は売っていません。野菜も数種類だけです。 川が無いのに、工夫に工夫を重ねてお米も採れます。 漁業は一本釣りが基本。 定置網の網の目も広く、稚魚を取ることはしない。 生態系を崩さないように、自然に働きかけていました。 多くの住宅には、自家農園もあります。 自分が食べる野菜は、自分で作る。 「地産地消」といった言葉が生まれる前から、彼らはそれを実践していました。 魚は、島の仕事を手伝ったら貰えました。 (島に住み始めて10日目の17歳の宿舎料理長は、かんぴょうを詰める作業をしたお礼に鯛とさゆりを貰ってきました。鯛の煮付けは絶品) 採ったものを分け与える。だから、魚は売っていません。 彼らにとって、お金はそこまで価値あるものではない。 食糧を買う必要が無いから、生きるのにそこまで費用がかからないから、 彼らは補助金を受け取ることもしません。 だから、戦い続けることが出来る。 自活できる農村・漁村の人々は、本当に強いと思いました。 ・地域コミュニティの崩壊と上関原発の意味 30年以上におよぶ彼らの運動は、一般的な地域では長続きしません。 農村・漁村から金の卵として都市部に定住した人々が高度経済成長を成し遂げたその時、 地方では深刻な人口流出と農業・漁業の崩壊が起きていました。 農業・漁業といった生存手段を奪われた地域では、 国家と大企業からの補助金によって原発推進派・反対派が生まれ、 地域コミュニティの崩壊が起きました。 上関原発の建設工事は、祝島から生活手段を剥奪しようとしています 原発建設による自然破壊は、祝島の持続可能な社会の崩壊を意味します。 でもこれは、何も祝島だけの問題ではありません。 全国各地で地産地消を行っている地域住民、持続可能な社会を目指している市民、地方分権を研究している研究職や学生、その全ての人たちに問われている問題なのです。 持続可能な社会を、国家権力と巨大企業が崩壊させようとしている。 祝島が直面している問題は、こういうことだと思います。 ・祝島と田ノ浦 祝島の人たちは、30年以上、運動と付き合ってきました。 東京でユーストを見ているだけでは分からない事も沢山ありました。 彼らは、田ノ浦では体を張っています。 自分達の生活を守るために、工事を行わせないために、毎日田ノ浦に通っています。 そして、先日、おばあちゃんが怪我をしてしまいました。 思っていた以上の重症だそうです。 それでも、その雰囲気を祝島に持って帰ることはしません。 祝島では、彼らの生活があって、地域の共同体がありました。 島にいる唯一の子ども達、3人兄弟がボールを蹴っていると、 たくさんのおじいちゃん、おばあちゃんが見に来ました。 末っ子の入学式には、ご家族以外に50人以上の島民の方々が出席されたそうです。 (小学校の全校生徒は、兄弟の3人!) その日、中電が田ノ浦にブイを打ち込んだようですが、 「そんなことよりも、あいつの入学式の方が大事だった」 泣きながら、島の人が話してくれました。 息子にお米を送ることを楽しみにしながら、 秋の収穫に向けて田んぼを耕す人もいました。 「お前ら、この田んぼを良く覚えとき。おらが死んだら、ここも原野に戻るんだ」 新しく出来た食堂に、「ご馳走」のお好み焼きを食べに来るおばあちゃんもいました。 (地産地消の祝島メニューは、食べなれている島民には不人気だそうです 笑) 「出来るもんを出してくれ。後でまた来る」 彼らは、自分達の生活を本当に楽しんでいました。 ・生活を守るということ 今、田ノ浦と祝島には全国各地からたくさんの人が来ています。 特に、若い人が多かったです。 上関に住民票を移した人もいました。 祝島に定住した人もいました。 そして、現場に来ている工事作業員たち。 彼らも、自分達の生活を守るために来ています。 長期不況の中、仕事がなくて困っている人たちがたくさんいる。 そういった人たちが田ノ浦に来ている。 彼らだって、自分達の生活を守っています。 だから、作業員を一方的に否定できない。 私が見た田ノ浦は、複雑な社会でした。 それでも、祝島の生活は、絶対に守らなければいけない。 それは、持続可能な地域社会の生活を守るということです。 地域の過疎化と中心部への一極集中の弊害は、 例えば、東京都2995人、神奈川県1914人、埼玉県1794人、千葉県1451人といった自殺者数にも表れていると思います。 (参考までに、大阪府2103人、愛知県1662人、山口県401人。 内閣府:http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/index.html) もちろん、祝島にも多くの課題があります。 島の過疎化と高齢化、それに伴う社会保障の未成熟、 それ以上に深刻な農業・漁業の伝統的な技術の未継承。 そして過疎地域共通の課題である、高等教育機関の未整備と、 高学歴を求める社会構造。 でも、これらはすべて、祝島の人々が仰っていたことです。 今の日本の地域は、高度経済成長による弊害が最も現れています。 その問題に付き合い続けてきた彼らは、次の新たな社会を提案しやすい。 彼らはすでに、原発“後”の社会を考えていました。 ・持続可能な地域社会を守る運動 田ノ浦で体を張っている人たちの思いを、 祝島で持続可能な社会を営んでいる人たちの思いを、 工事現場に来ている作業員達の「生きたい」って思いを、 私は絶対に犠牲にしたくない。 各々の地域で出来ることがあるはずです。 それを、ひとつずつ見つけて実行する。 だから、これは原発反対運動じゃない。 持続可能な地域社会の生活を守る運動なんです。 by martyin | 2011-03-01 18:57 | その他 | Comments(5)
大震災をきっかけに原発を調べるうちに、ここにたどり着きました。 上関まで来られた行動力に胸を打たれました。 私も近々、上関に行くつもりなんです。今このブログを読み、ますます勇気が出てきました。昔行った上関が今はどうなっているのか、自分の目で確かめてきます。 長い目で未来に自分が何ができるのか。私も自然とそこにある生活を守りたいです。そのためにも現状と背景をしっかり把握したいと思います。 六ラプの上映会も是非行きたいと思ってます。 まゆさん> コメント、ありがとう御座います。 FUKUSIMA後にご覧頂き、大変嬉しく思います。 上関・祝島に関しては、可能性を危惧するだけでした。 しかし、残念ながら福島近辺では、地域で生活している人達の生活が破壊されました。 それにも関わらず、日本では今後も原発が止まる気配がみられません。 「安定的な電力供給」によって「持続的な生活」が破壊された事実を受け止めなくてはいけないのだと思います。 初めまして、tamuzouです。 上関まで行かれたことに脱帽です。 関心はありましたが菊池さんより現地に近い東京に 住んでいるのに行ったことがありません。 今後もぜひ情報発信してください。 ご存知のように「電力の安定供給」については原子力発電に 依存しなくても実現、継続は可能です。 原子力発電は単に政治屋と電力屋がお金を回す ために作られた幻想でしかありません。 電力供給のために作るのではなく政治屋、電力屋 そして大学と「産学官」の原子族への資金供給のために 建設するんですよね。 私もかつては札幌に住んでおりました。 岩内によく仕事で行きましたが、泊原発だって 下には活断層が走ってます。 魚を捕らない北電が漁業権を買っているというのは おかしな話でした。 今は雨降りの翌日には水道水に気をつける毎日を 送っております。 ぜひ泊も止めて欲しいものです。 tamuzou さん> コメント、ありがとう御座います。 原発に関して、「原子力村」をクレイジー扱いするのは、もっともだと思いますが、 それは、中東の政変を「革命」と呼び狂乱するのと、 映画「亡命」のように、民主主義を「正義」だと思い込むのとは、 本質的に変わらないのではないでしょうか? 結局のところ、中東の「政変」も、 自民→民主への選挙による民主的な移行も、 支配階級のシンボルの変更だったように思えてなりません。 「原子力村」はクレイジーですが、それを支えた市民層もいるという事は、絶対に忘れてはいけないと思います。 そして、彼らが原発を推進せざるえなかった理由も、整理すべきだと思います。 ただ、祝島を見た後に思うのは、原発は推進派がいないと建設されないという事、そして、原発立地地域には推進派がいたこと、それにもかかわらず、テレビでは原発に裏切られたってコメントしかない事に、違和感を覚えます。 このサイトは俺、管理人KYOGO(29)が今までに利用した出 会 い 系サイトでの実体験を綴っている。
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